ちょっとそこまでの世界

ちょっとそこまでの世界(私の周り)について

もう夢なんてないと思っていた

10代の頃には夢があった。
20代の頃も夢とか野心とかあった。
30代になってどうだろう。
特に公務員になってから夢がなくなった気がする。

 

20代に転職をしたのは、結婚して勤務地が遠くなったことと、
このまま働いていても工場で作業員になるしか道がなかったから。
事務職の女性が結婚したら工場で作業員にならされると知って
一体何時代の話をしているんだと思った。
一部の事務職の女性、つまり社長や管理部長に気に入られた人は
まれに係長になっていたけど、そんな人は一握りだった。
給料はものすごくいいけど、女性の待遇に絶望して辞めた。
次は必ず女性でも平等に評価してもらえる世界で働きたいと思った。
田舎でも実現できそうな職、考えついたのは公務員。
平等に評価されるという点においては、当たりだった。

 

そして公務員として働いて5年ほどたった今。
このまま昇進して管理職になれたらいいな、なんて思っている。
でも、それは20代の頃にもっていた夢とはちょっと違う。
失態を犯さなければ、わりと自動的に実現しそうで、「夢」ではない。
いわゆる「安定」は手に入れたし、「平等」も手に入れた。
このままでもいいんだけど、このままじゃなくても良い気がする。

先日、光浦靖子さんのエッセイ「50歳になりまして」を読んだ。
過去の自分を回収しに行くために、カナダに留学しているらしい。
その話を読んで、私も回収したいものを思い出した。
大人の夢って、そういうもののことを言うのかもしれない。

 

今すぐ公務員を辞めたいとか思っていないし、なんだかんだ続けると思う。
そのうちマンションとか買って住宅ローンが始まるだろうし。
でも、今すぐでなくてもいいけど、夢を持ちたいと思った。
公務員という安定した職を利用して、夢を目指してみようかな。長期計画で。
例えば、早期退職をするとして。第二の人生ってやつ。
そもそも人生100年と言われるこの時代。
第一の仕事だけで生き延びられるわけないし、自分も回収したいものを追いかけてみようか。

 

せっかく安定した給料もあるし、定時に帰れるし。
ないのは夢を持つ仲間かな。今のところそういう公務員に出会っていない。
でもこの時代、色んな人とつながることができるし、自分でやる気を保つ方法はいくらでもありそう。
もう夢なんてないと思っていたけど、また走りだそうと思う。